米海軍は無人機をどう使うのか: 中東番外編1
前回の『UxS IBP 23その5』ではIBP 23.2を第7艦隊AORで実施し、USV Ranger, Marinerの2隻が横須賀に寄港したところまでを追いかけました。横須賀入港中にはUSV Rangerの報道公開が実施され、いくつか記事が出ています。米海兵隊のIII MEFとの連携も実証されたとの報道もあります。
この2隻は横須賀を離れた後、他の2隻 (USV Sea Hunter, Seahawk) と合流してパプアニューギニアのラエ、オーストラリアのタウンズヴィルに寄港してシドニーに入港しています。これはIBP 23.2に続いてオーストラリアと共に実施するIBP 23.3のためとみられます。しばらくUxS IBP 23を追ってきましたが、今(11月はじめ)は公式発表がないので中東に目を向けてみます。
TF 59は米第5艦隊AORにおける海上作戦に無人システムとAIを統合するため、2021年9月に設置された任務部隊です。これまでの2年間でUAV, USV, UUVと幅広い無人機を運用してきており、今年既に完全作戦能力(FOC)を宣言しています。
また、第5艦隊は無人機と有人艦艇のチームによってホルムズ海峡周辺でイスラム革命防衛隊の舟艇を数日にわたって監視・追跡したと発表したことがあります。
https://www.dvidshub.net/news/455362/
さて、11月2日に米軍が発表したところによると、NAVCENTはExercise Digital TalonにおいてMARTAC T-38 Devil Ray USVから Lethal Miniature Aerial Missile System (LMAMS)を発射して水上目標を攻撃することに成功したそうです。これは「中東地域におけるUSVからの致死性弾薬の初めての使用」であったとしています。
ここで言うLMAMSとはAeroVironment Switchblade 300のようです。使用された発射機は外見からMulti Pack Launcher (MPL)と呼ばれる6連装発射機でしょう。T-38 USVからSwitchbladeを発射するのは、米海軍全体で見ると最初ではありません。今年春のUxS IBP 23.1で実施されていました。
気になるところは人それぞれでしょうが (たとえばMPLの太陽電池の有無、いずれにもStarshield/Starlink Maritimeのアンテナが設置されている点、レーダーの装備等)、このときと比較することで、いくつか興味深い点が見えてきそうです。